脳害倉庫
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良く晴れた日。冬。
「珍しいね、貴方の様な方が」
ただ純粋な驚愕が滲んでいた。蔑みではない。同情でもなく、むしろそこには前提として尊敬の念が込められていなければ成り立たない言葉だということは重々分かっていた。しかしながら、発した本人には大した意味を持たないであろう短い音の羅列は、静かに脳を痛めた。
何時からか身にこびり付いた「それ」は、時に自らを鼓舞し、時に自らを支え、時に自らを愛し、時に自分も他人も傷つけた。煩わしさは多分にあるが、捨ててしまっては歩いていけないことは容易に予想がつくのだ。
このいやに強靭で頑なな、悪性とまではいかない腫瘍を柱とし、愛で、時々舐めてみては愛しい辛酸の味に涙を流して。そして抱きしめるのだろう。崩れない。砂にはならない。言い訳だけは私はしない。悪趣味な確信に曖昧に首を傾げ、ほんの少し口の端を上げた。
何にせよ、あんな思いはもう御免だと思った。
良く晴れた日。冬。暖かくて寒かった。
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母よ
胎を痛めず生んだ子らの絶対なる矛にして盾よ
お前たちのなんと憐れな
腕の中の細首に捲きついた肉の鎖が
自らの首にまで絡んでいることにも気づかずに
じわじわと嵩を増す重石に向かって
じりじりと食い込む首枷に酔いながら
うっとりと笑むお前たちの
なんと憐れで美しき